Monday, February 16, 2015

「キネマ旬報」2月下旬号(2)

【2月16日特記】 さて、皆さんお待ちかねの(なわけないかw)キネマ旬報日本映画ベストテン採点表の分解と分析をやります。

キネ旬の投票は各審査員(2014年度の日本映画なら「本誌編集部」を含む59人)がそれぞれ55点を持って、1位には10点、2位には9点、3位には8点、…、9位には2点、10位には1点を投じるシステムです。

これを、1)何人の審査員が投票したか、2)投票した審査員1人あたりの点数は何点か、を調べて「得点=○人×平均△点」という形に分解してみるのです。

そうすることによって、a)それぞれの点数はそれほど高くなくても多くの審査員が投票している=広く人気のあった作品と、b)投票人数は少ないがそれぞれが高い点数をつけている=思い入れ度の高い作品を見極めようという試みです。

毎年書いていますが、統計学的には決して正しい手法ではありません。しかし、1位から10位までに限定して、大まかな傾向を見ようとするのであれば、そこそこ適当な方法ではないかと思っています。

さて、2014年度ベストテンは、

  1. そこのみにて光輝く
    314点=41人×7.66点
  2. 0.5ミリ
    222点=34人×6.53点
  3. 紙の月
    162点=26人×6.23点
  4. 野のなななのか
    134点=18人×7.44点
  5. ぼくたちの家族
    128点=23人×5.57点
  6. 小さいおうち
    107点=16人×6.69点
  7. 私の男
    97点=15人×6.47点
  8. 百円の恋
    94点=17人×5.53点
  9. 水の声を聞く
    70点=14人×5.00点
  10. ニシノユキヒコの恋と冒険
    67点=9人×7.44点
  11. 蜩ノ記
    67点=11人×6.09点

となりました。

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Sunday, February 15, 2015

「キネマ旬報」2月下旬号(1)

【2月15日特記】 今年はすっかり忘れていて遅くなったが、例年通り『キネマ旬報』2月下旬決算特別号のランキングと、僕が 12/28 に書いた「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」の突き合わせをする。

キネ旬10位以内との突き合わせは 1/8 の記事に書いたので、今回は第12位(第10位が同点で2作品あったので)以降の検証になる。

ちなみに、キネ旬ベストテンには、僕が「20位以内に入ってほしい」と思った作品のうち4本が入った。ところが、そこから先がいけない。

結論から先に書くと、12~20位に入ったのは第14位の『舞妓はレディ』だけで、今回はトータル5本に終わってしまった。特に今回に関しては我ながら落胆が大きい。

まずは、例年通り、僕が「20位以内に入ってほしい」と思ったけれど入らなかった残り5本の結果から見て行きたい。

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Friday, January 09, 2015

キネマ旬報ベストテン

【1月8日特記】 2014年度キネマ旬報ベストテンが発表されましたので、例年通り僕が年末に書いた「キネマ旬報ベストテン20位以内に入ってほしい邦画10本」と見比べてみます。

毎年のことですが念のために書いておくと、僕が選んだのは「10位以内」ではなく「20位以内」に「入るだろう」ではなく「入ってほしい」10本です。

何はともあれ、発表されたキネ旬ベストテンを見てみましょう。

  1. そこのみにて光輝く
  2. 0.5ミリ
  3. 紙の月
  4. 野のなななのか
  5. ぼくたちの家族
  6. 小さいおうち
  7. 私の男
  8. 百円の恋
  9. 水の声を聞く
  10. (同点2作品)ニシノユキヒコの恋と冒険/蜩ノ記

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Monday, December 29, 2014

2014年度日本インターネット映画大賞(日本映画部門)投票

【12月29日特記】 今年もまたお誘いいただいたので、日本インターネット映画大賞(日本映画部門)に投票してみることにした。2006年から毎年投票しているので、今回が9回目ということになる。

毎年の投票結果を見ると、必ずしも僕の趣味や指向性と一致する賞ではないのだが、こんな風に Web の住民が寄ってたかって、しかし一人ひとりが平等の重みで選んで行くというのも面白い企画だと思っている。

今年はルールが少し細かく規定され直したが、概ねいつも通りである:

[作品賞投票ルール(抄)]

  • 選出作品は3作品以上10作品まで
  • 1回の鑑賞料金(通常、3D作品、字幕、オムニバス等)で1作品
  • 持ち点合計は30点
  • 1作品に投票できる最大点数は10点まで
  • 各部門賞に投票できるのは個人のみ
  • 音楽賞は作品名で投票
  • 以上のルール満たさない場合は賞の一部を無効

で、今年についてはこんな風にしてみた:

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Sunday, December 28, 2014

回顧:2014年鑑賞邦画

【12月28日特記】 今年もまた「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」を選んでみる。

毎年書いているように、これはあくまで「20位以内に入ってほしい10本」なのであって、「入るであろう10本」とは微妙に違っている。

ただ、今年に関してはその両者が割合近いような気もする。

例によって、10本選んで、僕が観た順に並べてみる(評価の高い順ではない)。ただし、来年2月の公開に先立って観た『娚の一生』は選考対象から外した。

  1. 大人ドロップ
  2. そこのみにて光輝く
  3. 私の男
  4. 渇き。
  5. 思い出のマーニー
  6. るろうに剣心 京都大火編
  7. 舞妓はレディ
  8. 紙の月
  9. 0.5ミリ
  10. アオハライド

今回は何も考えずに選んだらぴったり10本になった。

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Saturday, December 27, 2014

映画『ホビット 決戦のゆくえ』

【12月27日特記】 映画『ホビット 決戦のゆくえ』を観てきた。製作年度としては『ロード・オブ・ザ・リング』3部作に続く、ストーリーとしては同3部作に先立つ、『ホビット』3部作の完結編である。

で、完結編ともなれば、伝説とか謎とか宿命とか陰謀とか、そういうものは前作までにほぼ解き明かされてしまっていて、今作はひたすら完結に向かうチャンバラである。

もちろん、「やあやあ我こそは」などという悠長な果たし合いなどではなく、複数の部族の膨大な数の兵士たちが入り乱れて戦う、壮大な、そしてストーリーだけではなく、仕掛けとしてもCG/特撮総動員の壮大なチャンバラである。

いや、壮大を超えてべらぼうな西洋チャンバラである。しかし、ひたすら戦いのシーンの連続でしかない。

だから面白くないかと言えばそんなことはない。ただ、『ロード・オブ・ザ・リング』の完結編や『ホビット』の第1作ほどハラハラドキドキしたかと言えばそうではない。

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Sunday, December 14, 2014

映画『アオハライド』

【12月14日特記】 映画『アオハライド』を観てきた。930万部突破のベストセラー・コミックスの映画化である。

監督は青春恋愛モノを撮らせたらこの人の右に出る者はいないと言っても過言ではない三木孝浩。この映画も絶品の仕上がりである。

前作『ホットロード』ではちょっとよじれてしまった感もあったが、今回は『陽だまりの彼女』に近い出来である。『陽だまり』のようなストーリー上の仕掛けがない分、インパクトは小さいかもしれないが、丹念に描かれた青春像には心打たれるものがある。

スタッフとしては『僕等がいた』チームの再結成なのだそうで、脚本は吉田智子、カメラは山田康介が務めている。

高2の春、吉岡双葉(本田翼)の前に田中洸(東出昌大)は転校生として4年ぶりに姿を現す。

中1の時、お互いに思いを通わせていながら、夏祭りの日に「7時、三角公園、時計の所」という約束をすっぽかして、そのまま姿を消して以来である。

中学時代はあんなに明るくて、思いやりがあった洸が、何だかつっけんどんで、常に斜に構えている。おまけに両親が離婚したとかで、苗字まで変わり、今は「馬渕」だと言う。

「俺の中に昔の俺を探すのはやめてくれ」とも言う。

双葉は真面目でまっすぐでエネルギー全開の女の子である。そういう態度がウザいと思われて嫌われることがあるのもよく解る。中学時代にハブられていたことがあり、最初はまた嫌われるのを怖れて友だちに調子を合わせていたが、でも、途中からやっぱり一直線に走りだす。

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Saturday, December 06, 2014

映画『楽園追放 Expelled From Paradise 』

【12月6日特記】 映画『楽園追放 Expelled From Paradise 』を観てきた。単館系の上映でものすごく客が入っていると聞いたので。

3DCG作品である。

普段ほとんどアニメを観ない僕のようなおじさんでも、水島精二、京田知己、虚淵玄の3人は名前を聞き憶えている。

この映画はそれ以外にもたくさんの名だたるスタッフが結集したオールスター作品なのだそうだ。

確かに『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』のときほどではないが、ぎっしり満員である。

で、やっぱりアニヲタ風の人が一杯来てて、映画が終わった瞬間に「最初のシーンは○○を連想させられた」とか、「△△は××を踏まえている」とか蘊蓄が飛び交っている。

僕にはそういう専門的な見方は全くできないので、通りすがりのおっさんの感想風になってしまうが、なるほどこれが今のアニメ界のある種の“粋”なのかと感心し、納得した。

未来社会、人間の多くは地上を離れ、肉体を捨て、ディーヴァという電脳世界で、その働きに応じてサーバの容量を割り当てられながら暮らしている。

ところが、そのディーヴァが地表から フロンティアセッターという何者かにハックされ、ディーヴァ空間に扇動的なメッセージが流されてしまう。

地表にはまだ肉体を持つ人間が暮らしてはいるが、それがこれほど高いテクノロジーを持っているとは到底思えない。

それを突き止め破壊するべく、優秀な保安要員たちが地表に送り込まれる。主人公のアンジェラもそのひとりである。

地表に降りるための肉体(マテリアル・ボディ)を作る過程で、先を急ぐために16歳までしかできていない体で降りて行くのは、炉利な観客へのサービスなんだろう(笑) 戦う保安要員が少女ばかりなのも如何にもアニメである。

降りた地球には現地人のアシスタントのディンゴが待っている。これがまた、分かりやすく言うと昭和なおっさんである。

一見ぐうたらで、ちょっとヤクザな感じだか、何も考えていないようで論旨は明快、戦いの腕も立つ。そしてロック・ミュージックをこよなく愛している。

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Wednesday, December 03, 2014

映画『娚の一生』

【12月3日特記】 来年2月公開の映画『娚の一生』を、会社の試写室で観た。

ちょっと先の映画なので、現時点でどこまで情報公開して良いのか分からないが、まあ、ホームページに出ているくらいの範囲で書いてみる。

タイトルは「おとこのいっしょう」と読ませる。

「娚」の訓読みは「めおと」であって、漢字の構造からも判るように、これは一組の女と男=夫婦(めおと)の意味である。

それを「おとこ」と読ませるのはめちゃめちゃだなあと思ったのだが、同名の漫画が原作で、これがまたよく売れているし、賞も獲っているとのこと。

なんとも不思議な映画だった。榮倉奈々や向井理が出ていて、主題歌を JUJU が歌っている割には、悪く言えば“華”がない。

52歳の独身大学教授・海江田醇(豊川悦司)と恋をしないと決めた女・堂園つぐみ(榮倉奈々)の恋物語である。しかも、熟した大人の恋愛なのに、2時間の映画の大部分がプラトニックな関係である。

海江田は、まあ「封建的な」とまでは言わないが、少なくとも古い時代の男である。自信家で迷いがなく、強引で、口が悪く、押しつけがましい。今の時代の優しい男たちの女性に対する行動パタンとは似ても似つかないことを言う。

つぐみは男に振り回され続ける女である。自分をうまく主張できず、不満が残ったまま、でも、男に対する思いを断ち切れない。

親友の岬(安藤サクラ)に言わせると、何でもできてみんなに好かれる女なのに、妻子ある男に振り回されて不幸になることでバランスを取っているとのこと。却々言い得て妙な人物評である。

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Sunday, November 30, 2014

映画『寄生獣』

【11月30日特記】 映画『寄生獣』を観てきた。

僕の中では山崎貴は樋口真嗣と同様に、CG や VFX、特撮の専門家というイメージで、あまり監督という意味での評価を持ち合わせていない。

だからこそ『ALWAYS 三丁目の夕日』や『永遠の0』は観る気にならないけれど、こういうのだったら安心して観られる。

前回の映画記事で書いた『進撃の巨人』同様、これまた漫画が原作であり、もしも寄生虫ならぬ寄生獣というものがあったら、という一見ジャスト・ワン・アイデアものである。

ただ、これまた『進撃の巨人』同様、面白い話が何故面白いかと言えば、それは発端はジャスト・ワン・アイデアであっても、そこから先に見事に練り上げた展開があるからである。

この話も深海から上がってきた(原作では空から降ってきたらしいが)寄生獣が人間の耳の穴から入り込んで脳を乗っ取るというジャスト・ワン・アイデアの設定がから始まるが、主人公の泉新一(染谷将太)の場合はイヤフォンをしていたために寄生獣が耳の中に入れず、右手に入り込んで、脳まで達することなく成長してしまったという例外形を想定しているところが面白い。

つまり、通常の場合は人間の脳を寄生獣が乗っ取って、見た目は人間でありながら人間を食い殺す野獣と化すわけだが、新一の体の中には新一の脳と、寄生獣ミギーの脳が併存し、従って両者の間でコミュニケーションが成立することである。

そして、2つの生物の体が繋がり、細胞が混じるために、新一の体はいろいろな変化を来すことになる。ミギーは自分の命を存続させるために新一を守り、そのことがまた新一の体を変えて行くという面白さがある。

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