「キネマ旬報」2月下旬号(2)
【2月17日特記】 年末から2月中旬にかけて、キネマ旬報ベストテン絡みの記事を4本書くのが恒例になってきましたが、今回もその最後の記事を書こうと思います。
これはキネ旬ベストテンの日本映画の採点表に基づいて、ベストテンに入った映画の得点を分解してみようという企画です。
毎回書いていますが、これは統計学的に正しいやり方ではありません。本格的にやるならもっと面倒臭い方法で正しい分析ができるはずです。ただ、このやり方でもなんとなく傾向が見えてくるのが面白くて、僕はもう何年もこれをやっています。
それは何かと言うと、それぞれの映画が得た合計点数を「審査員何人×平均得点何点」という形に分解してみる遊びです。
今年(対象としては去年)で言うと日本映画の投票には編集部を含めて66人の審査員が投票しています。それぞれが55点を持ち点として、第1位に10点、第2位に9点、第3位に8点…、第10位に1点という風に入れていきます。そして、その合計点によって順位が決められます。
しかし、考えて見れば同じ200点でも20人×10点の映画もあれば、40人×5点の映画もあるわけです。
雑駁に言って、前者の場合は投票した審査員が皆1位に推挙したという、とても思い入れ度の高い映画であると言えます。後者の場合は66人中40人が点数を投じたという、とても大勢に受けた映画だと言えます。
あくまで上位の10本くらいに限っての手法なんですが、そんな違いが見えてくるのが面白いんですよね。だから、やめられません。さて、今回はとてもおもしろい結果が出ました。早速披露してみましょう。
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