「キネマ旬報」2月下旬号(2)
【2月8日特記】 さて、今年もまた『キネマ旬報ベストテン』の投票結果の僕なりの分析、と言うか、分解をやってみようと思う。
何年か前にふと思いついてやってみたら、結構面白い結果が出るので病みつきになってしまったのだ。
キネ旬ベストテンの投票方法は、審査員が合計55点を持ち点として、第1位には10点、第2位には9点、第3位には8点という風に割り振って行って、最後の第10位には1点を投ずるというものである。で、それぞれの審査員の投票した点数が合計されて、その映画の得点となるのである。
今回の第85回、2011年の投票では、編集部を含む57人の審査員が投票している。
さて、僕が毎回やっている分析は、それぞれの映画の合計得点を、「投票者の平均点×投票人数」という形に分解してみることである。
当たり前のことだが、10人の審査員が1点ずつを投じた映画と、たったひとりの審査員が10点を付けただけの映画は同点になるのである。でも、この2つの得点は性格が違うのではないかというのが僕の考えである。
もしも多くの審査員が投票したのであれば、それはひとことで言ってしまうと万人受けしたということである。それに対して、投票人数は少ないけれど、平均点が高かったので他の映画と同じくらいの得点になったというのであれば、それは観た人、評価した人の思い入れ度が高かったということである。
それを確かめるために、同じ80点でも平均8点×10人なのか、平均4点×20人なのかを調べようというものである。
これは正しい統計学的手法に則ったものではなく、まことに荒っぽく、かつ素人っぽい分析ではあるのだが、やってみるとそれなりに「らしい」結果が出て面白いのである。結果的には当たらずと雖も遠からず、なのではないかと思っている。
もっとも、この荒っぽい分析がそれなりの説得力を持つのは、あくまで上位10作に限ってやっているからであって、これをもっと下位まで拡張してしまうと、少し乱れたものになってしまうだろう。
さて、前置きが長くなったが(と言うか、毎年この前置きの部分は長くなるのだがw)、分析結果を披露することにする:
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