『木曜組曲』恩田陸
【12月21日特記】 いやはやまったく、恩田さん、あなたは本当に頭の良い方だ。よくまあこんなもの書きますね。全ての謎が解き明かされて話が終わったかと思いきや、そこからボールはまだ3バウンドくらい跳ね続ける。
他の恩田作品の書評にも書いたけれど、ひとつ間違うと「私はこんなに頭が良いんだ」と言わんばかりの嫌味な作品になりかねないところを、いつも通りスマートに切り抜けている。それはひとえにこの人の人物構築力の豊かさによるもので、単なる推理ゲームに陥らずあくまで人間を描くという作業に集中できているからではないかと思う。
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