Sunday, April 30, 2017

映画『笑う招き猫』

【4月30日特記】 映画『笑う招き猫』を観てきた。

飯塚健監督の映画は2作目の『放郷物語』(2006年)以来ほぼ全部観ている。テレビのシリーズも『荒川アンダーザブリッジ』(全10話)、『REPLAY&DESTROY』(全8話)、『ランドリー茅ヶ崎』(全4話)、そしてこの『笑う招き猫』(全4話)も全て観ている。そのくらいのファンだ。

で、テレビと映画の両方をやったのは『荒川アンダーザブリッジ』と『笑う招き猫』なのだが、『笑う招き猫』のテレビ・シリーズのほうはあまり面白くなかった。いや、面白いと言えば面白いのだが、言わばミニマル的な面白さである。

映画版のスピンアウト企画を先行してテレビでやった形なので、これが映画化の前宣伝になったかと言うと疑問で、テレビドラマを観てしまったために映画館に行くのをやめた人もいるのではないかと心配するぐらいである。

結論から言うと、この映画版にはちゃんとストーリーがある(笑) 原作はすばる新人賞を獲得した同名の小説である。

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, April 29, 2017

『騎士団長殺し』村上春樹(書評)

【4月28日特記】 端的に言うと、僕も村上春樹を読みすぎているのかもしれない。今回のこの作品にはどこか既視感がある。どこかで読んだようなシーン、どこかで読んだような表現がずっと続いているような感がある。

実は村上春樹の熱烈なファンが彼を真似してこれを書いたのだ、と言われると、あ、やっぱりそうだったのか、と思ってしまいそうな小説なのである。つまり、極めて村上春樹的ではあるが、今回に限っては新しさがないような気がした。

それを悪く言うと、村上春樹もどれを読んでも同じような感じになってきたな、ということになるのだが、実のところどの作家にだってそういうところはある。ジョン・アーヴィングなんてその最たるものではないか。作家が熱心に取り組んでいるテーマはどうしても凝縮されてくるのである。

今回の主人公「私」は30代の画家である。突然妻から不可解な離婚を言い渡され、ひとり家を出て車で東北を放浪する。その後、親友の雨宮の厚意で、彼の父親である有名な日本画家・雨宮具彦の家に住まわせてもらう。小田原の山の中の邸宅である。

そして、谷を隔てた向かいの家に住んでいる免色(メンシキ)という金持ちの男が「私」に接近してくる。自分の肖像画を描いてほしいと言う。決して怪しい男ではなく、むしろそこら辺の誰よりも常識家のようにも見えるが、動機がどうも不明である。

そうこうするうち、「私」は、その家の屋根裏で、世間に発表されていない雨宮具彦の作品(仮に『騎士団長殺し』と名付ける)を発見する。そして、不可解な事件の後、その絵から抜け出した騎士団長が「私」を訪れる。彼は自分がイデアであると言う(そして、下巻にはそれと対比してメタファーであると名乗る男も出てくる)。

そう、この辺りから完全にいつものハルキ・ワールドなのである。ただ、『1Q84』のような危機に満ちて禍々しい波乱含みの感じは少し弱い。変な言葉遣いをする騎士団長とのやりとりや、妙な頼みごとをしてくる免色とのエピソードはそれほどの起伏なく進んで行く。

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Thursday, April 27, 2017

20世紀の蛍光灯

【4月27日特記】 蛍光灯がつかなくなった。電球が切れたわけではなさそう。誘導灯がダメになったわけでもなさそう。

原因はなんだかわからない。しかし、実は知り合いのパナソニック OB の人に言われていたのだ。「やまえーさん、それ、おかしいで。そんなに長いこと壊れずに持ってる蛍光灯って滅多にないで」と。

多分、買ったのは1999年。一般的に蛍光灯というものは実はそんなに持たずに壊れるのだそうである。

ということで、つかなくなった途端に、「あ、ついにお迎えが来たか」と思った。人間で言うなら「天寿を全うした」というやつなのだろう。

そもそもいまだに LED に替えずに蛍光灯を使い続けているのがおかしいと言われても仕方がないのかもしれない。でも、20年近く、随分電気代食いながら働いてくれた可愛い奴であったことも確かである。

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Monday, April 24, 2017

映画『3月のライオン 後編』

【4月23日特記】 映画『3月のライオン 後編』を観てきた。

今回結論を先に書いてしまうと、とても良いのだ。良い読後感が持続するので「良かった」ではなく「良い」と現在形で書いてしまうくらい良いのだ。

単なる趣味とは言え、映画評みたいなものを書いていると、どうしても分析しながら観るような癖がついてしまっているのだが、この映画は分析を許さない。それくらいの没入感があるのである。

それは脚本が良いということ、役者と演出が素晴らしいということに尽きるのではないかな。分析しながら見させてくれないのであまり細部の記憶は残っていないのだが、カメラワークももすごく美しい。

零(神木隆之介)が川本の家を訪ねる時に必ず赤い欄干の橋を渡るのだが、ああいうのが様式美と言うか、なんかひとつのアイコンになっていて、あそこを渡ってるのを見ると条件反射的に心が暖かくなってしまう。

で、今回見ていて思ったこと: 将棋って勝敗が尽きるまでやるゲームじゃないんですよね。一方が「負けた」と思って、それを宣言した所でゲームは終わる。

本当はまだ負けていないのかもしれない。そのまま最善手を続ければ逆転する目が残されているのかもしれない。──現に前編にも後編にもそのことに触れたシーンがあるのだが、それがなんか、決して教訓めいたり教科書臭くなったりせずに人生を語っているのである。

そう言えば、前編ではあれだけ印象の強かった、いろんな棋士たちの「負けました」という台詞が、この後編ではひとつもなかったのではないかな?(1箇所ぐらいはありましたっけ?)

この後編ではそういう諦めない姿が、醜い悪あがきかもしれないけれど、そこを通るしか生きる道がないということが、なんかものすごく素直に胸に染みてきた。

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Sunday, April 23, 2017

映画『夜は短し歩けよ乙女』

【4月23日特記】 映画『夜は短し歩けよ乙女』を観てきた。

まず何が驚いたかって、観客の中に若い女性2人組が結構いること。確かにタイトルでは「乙女」に呼びかけてはいるが、これはあんたたちに向けて書かれた話ではないぞ、と思った。

こんなに女性客が来るのは、ひとえにポップでキッチュな絵柄のせいだと思うのだが、しかし、これはイケてない京大生と、彼らに多少とものシンパシーを感じるイケてない(あるいは、かつてイケてなかった)男たちのためのストーリーだ(そうだよね?)。

デビュー作の『太陽の塔』ではただウダウダ言うだけで何ごともなしえなかった森見登美彦(の書く主人公)が、この小説では明らかに一歩踏み出したぞ、という作品だった。力づけられた同類も多かったのではないかな。

そう思って周囲を見渡すと、確かに劇場にはイケてない京大生の成れの果てみたいな男性客も少なくない(笑)

ただ、僕が知らなかったことがひとつあって、それはこの映画のスタッフ、すなわち、監督の湯浅政明、脚本の上田誠(ヨーロッパ企画)、キャラクター原案の中村佑介らが、少し前に同じ森見の『四畳半神話大系』のテレビアニメ化と手がけていて、それが好評であったらしいということだ。

だから、これはアイデア一発で変換された作品ではなく、結構読み込まれ、練り込まれた企画であるということだ。

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, April 22, 2017

Voice over LTE

【4月22日特記】 SoftBank から無料で VoLTE にしてやるという通知が来て、晴れて夫婦ともに VoLTE 対応になった。

しかし、僕はどうもこの技術がよく分かっていない。と言うか、むしろ逆で、VoLTE の原理は一応理解しているが、今まではどうやって携帯電話で音声通話していたのかがよく分かっていない。

今までだって携帯は LTE や Wi-Fi に接続していたではないか。VoLTE は LTE上で音声通話のための回線交換を実現したと言うが、ではそれがなかった時代は音声通話はどこをどう流れて相手に伝わっていたのだ? 今回どこがどう変わって音が良くなったのだ?

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Thursday, April 20, 2017

4/20サイト更新情報

【4月20日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のホームページ "Wardrobe of Words" の更新案内です)。

今回はレギュラーのことばのエッセイの更新と、読書コラムへの書き足しがあります。

ことばのエッセイは、少し前に facebook に書いた記事に加筆修正したもので、茶化すという行為についてのものです。

読書コラムのほうは例によってこのブログに載せた書評へのリンクを追加したものです。

というわけで今回の更新は下記の通り:

» Continue reading

| | TrackBack (0)

Tuesday, April 18, 2017

Play Log File on my Walkman #118

【4月18日特記】 時々気まぐれに公開している僕の Walkman のプレイログ。今回も10曲。

  1. 小麦色のマーメイド(松田聖子)
  2. 聴かせて恋習曲(おかわりシスターズ)
  3. 貴女がえらんだ僕だから(美樹克彦)
  4. 哀愁のページ(南沙織)
  5. 嵐を呼ぶ男(井上陽水)
  6. ウェディング・ベル(シュガー)
  7. Love Story (安室奈美恵)
  8. 別れの一本杉(春日八郎)
  9. 懐かしのキャシィ・ブラウン(荒木一郎)
  10. 仮面舞踏会(少年隊)

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Sunday, April 16, 2017

絶煙10年

【4月16日特記】 たまたま気がついたのだが、一昨日で煙草をやめてちょうど10年経っていた。

健康診断の問診票に「煙草を吸いますか」→「やめた」→「何年間吸っていましたか」という項目があり、はて、やめたのはいつだったか、と思っていたのである。

僕は自分で書いたこともよく忘れるので、このブログで実は他のことを検索していたら、検索でヒットした中に禁煙について触れた記事があり、そこから辿って、2007年4月14日に煙草をやめたことを知った。

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, April 15, 2017

アポロ

【4月15日特記】 テレビを見ていたらポルノグラフィティの1999年のデビュー曲『アポロ』が流れてきた。

この歌は僕にとって衝撃的な歌だった。

僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう
アポロ11号は月に行ってたって言うのに
(詞:ハルイチ、曲:ak.homma)

君らはアポロ計画も月面着陸も、アームストロング船長の「人類にとっては大きな飛躍」も知らないのか! 僕は大きな世代ギャップを感じた。

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Wednesday, April 12, 2017

健康診断に思う

【4月12日特記】 今日、健康診断を受けた。体重は前回の値より 1kg 以上増えていた。でも、問診の医者はそのデータを見て、「体重も前回と大きく変わっていませんね」と言った。とても珍しいことである。

少なからざる医者がこんな時「体重が前回より 1kg も増えています。いけませんね」みたいな調子でものを言う。「そもそも標準体重より重いわけですから、さらに 1kg 太るなんて飛んでもないことですよ」と調子に乗って畳み掛ける医者もいる。

僕は心の中で「お前らの仕事は楽でいいよな」と思う。点と点を比較すれば良いのだ。「今回の値から前回の値を引き算して良いの悪いの言っていれば済む気楽な商売だな」と口には出さず思っている。

僕は原則として毎日体重を測っている。そしてそれをグラフにしている。僕は自分の体重が最大 1.4kg の幅で前日の値から増減することに気がついている。一方でグラフ化することによって長期的な趨勢にも気づいている。

日々の体重は細かく変動しながら、長期で見ると大きな傾向に従っている。現在の僕の場合は年初から増加傾向にあった体重が漸くピークに達して、今ゆっくりと減少傾向に転じていることを把握している。

そういう人間に如何にも非難がましく「前回より 1kg 増えた」と指摘する医者の言葉が響くはずがない。

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Tuesday, April 11, 2017

割れる、壊れる

【4月11日特記】 最近よく食器が割れるのである。

いろいろな割れ方があって、僕であれ妻であれ手が滑って床に落としてしまって割れるというのは仕方がないにしても、特別に力をかけたわけでもないのに、洗っている最中にパリンと割れたりするのである。

まだ割れていない食器の中にも気がついたらヒビが入っていて、そのうちに、ふと手にした瞬間にパリンと割れてしまうのだろうなと思う。

いや、「パリン」と書いているけれど大きな音がするわけではない。ほとんど音もなく割れてしまうのだ。ただ、その割れ様は如何にも「パリン」というケレン味のない割れ方なのだ。

» Continue reading

| | Comments (0) | TrackBack (0)

«映画『ブルーハーツが聴こえる』